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©Matthieu Salvaing
1 セーヌ河のほとりに誕生した
“銀の塔” トゥールダルジャン
1582年、フランスではアンリ三世の時代であり、日本では大阪城が建てられた頃。パリの中心、5区のセーヌ河畔、ノートルダム寺院を望むサンルイ島の前に一軒の旅籠が誕生。そこからは銀の塔(フランス語でトゥールダルジャン)と呼ばれる、太陽の光に反射して銀色に輝く雲母で飾られた塔が眺められました。貴族のための旅籠を造ろうとしていた主人は、国王に願い出て、店の紋章にこの塔を使う許可を得ました、これがトゥールダルジャンのルーツ。シェフの料理は評判を呼び、遠くイタリアの貴族達も噂を聞いて訪れるようになりました。